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自らも加工したウェンディ・カルロス

ミュージシャンは時に奇怪な行動をする事があるが、それがパフォーマンスなのか本気なのかは定かでない。そんなイカレポンチの一人「ウェンディ・カルロス」をご紹介します。
ウェンディはシンセサイザーミュージックの一人者で、当時シンセサイザーがまだ楽器として見出されることが少なく、効果音作成などが主流だったころに、その可能性を追求していました。
シンセサイザーの父「ロバート・モーグ」が開発したムーグ・シンセサイザーに、鍵盤の強弱で音量や音色を変化させるタッチ・センシティブ・キーボードや、音程を滑らかにするポルタメントなど発案し依頼実装させた程だ。
彼の名前を一躍有名にしたのは、名作「スイッチト・オン・バッハ」。1970年に大阪万博アメリカ館で披露され、日本のシンセサイザーミュージックの影響の源となりました。
その後、スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」や「シャイニング」、続編で話題だった「トロン」でその世界観を広げました。
ここまでのお話では非常に音楽に貢献した素晴らしい人に聞こえますが、何処がイカレポンチかと申しますと、元の名前は「ウォルター」。性転換手術をして女性になってしまったのだ!
シンセサイザーで様々なサウンドを加工では飽き足らず自分自らも加工したわけですね。

▼映画もさることながら音楽も本人もイカレている!

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名曲のモデルとなった奇人変人フランク・ザッパ!

大学の時、学校も行かず近所(香椎)の楽器屋へ入り浸っていた。
店員さんも楽器も買わず暇つぶしに来た若造にやさしく接してくれたのは、その後の私の音楽感の幅を広げてくれた意味でも非常に感謝します。
楽器屋の店員さんなのでバンドなどの音楽活動されて音楽好きだったのは言うまでもないのですが、その一人に衝撃的なアーティストを紹介されました「フランク・ザッパ」。
「プログレッシブ・ロック」をも超越したロック、カントリー、ジャズ、ファンク、レゲエと様々な音楽の異種格闘技戦!今聴いても訳わからない。正にロック界の奇人変人だ!
先日ご紹介したアーム付キーボードのジョージ・デューク、数十と動物の鳴き声をギターで奏でるエイドリアン・ブリュー、ヘビメタギターのスティーヴ・ヴァイがバックバンドの出身者。この顔ぶれだけでもザッパがそれ以上「奇才」であることがうなずける。
そんな個性的なザッパの有名なエピソードがあります。ライブ中に熱狂的なファンの行為がきっかけで火災になり楽器もろともすべて燃える大惨事になったらしい。その火事の様子を湖越しで見たディープパープルが書いたのがロックの名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」なのです。
日本のマスコミなどではあまり紹介される機会が少ないので聴いたことない方が多いかもしれませんが普通の音楽に聴き飽きた方はお勧めです。

▼変拍子・意味不明な転調。常時上半身裸のみならず女装する変人ぶりです。

▼ザッパ初心者の私向けに聴かせてもらった曲です(Teenage Wind)

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新たな挑戦が生んだ名曲“バードランド”

全てにおいてこだわりを持ち続け取り組む事も良いが、異端と言われようとも新しい事にチャレンジして時に偉大な功績となる事がある。それは音楽等の芸術もさる事ながらビジネスの分野でも同じである。(私は臆病なのでぬるま湯につかってますが。。。)
以前ご紹介したマイルス・デイビスのサポートメンバーだったウェイン・ショーター、ジョー・ザヴィヌルが結成したJAZZ・フュージョングループ「ウェザー・リポート」は正にその言葉があうあるエピソードをご紹介します。
結成当初はまだシンセサイザーが単音楽器で、音楽を奏でるには非常に制限があった頃、ようやく事実上の和音演奏ができるものが登場した「Oberheim 4-Voice」だ。待ってましたばかりにジョーは開発者のトーマス・エルロイ・オーバーハイム(トム)に導入指導を受けたそうだ。
ジョーは「未知との遭遇」で有名な単音シンセARP(2600)は以前から使用していたが、和音が出る新鋭機ともあってトム曰く、その時はうまく操作方法を良く理解してもらえなかったそうだ。
その時の事を残念に思いながら新作「ヘヴィ・ウェザー」を聴いた時トムは強く感動したそうだ。そう!名曲“バードランド”である。
この曲はWRの代表ともいえる曲で、後、マンハッタン・トランスファーやクインシー・ジョーンズがカバーした程だ。それは、ジョーの熱意これこそ形にこだわらない挑戦の証だと思います。

▼高齢者向けメンズファッション誌「Z」の表紙を飾るジョー

▼主旋律はなんとベース。ジャコ・パストリアスの奇怪な演奏も必見!

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日本一オシャレな音楽となったU.F.O.

80年代の音楽はMTVブームも乗っかり非常に斬新であらゆる面で挑戦的なサウンドは今聴いても名曲は沢山ありますが、いわゆる「一発屋」の宝庫となった年代であったと思います。
しかし90年に入って飛躍的なテクノロジーの発展に伴い単なる新しいサウンド(楽器・音源)を求める音楽から、古き良き音楽を用いてまったく新しい音楽を作り上げたジャンルが登場した「アシッドジャズ」。その中でも「United Future Organization(U.F.O.)」は特に意標を突いた。
中心メンバー3人は演奏家でなくDJ。そう!楽器を弾くわけでもなく歌うわけでもない。ジャス、ボサノバの曲をサンプリング、打ち込みと生演奏を加え全く新しい音楽として仕上げているのだ。今までの「音楽=演奏者(歌手)」そして「電子楽器=未来の音楽」が当たり前だったのが根底から靴害された瞬間だ。(1stシングル「I love My Baby(My Baby Loves Jazz)」は名曲「Recado Bossa Nova」のサンプリングしたもので、まるで「ルパン三世」ライクでニヤリ。)
賛否両論はあるかもしれませんが、当時日本をはじめ世界にウケたのは、本当に演奏をして無かろうとゼロから造るクリエーターでなかろうと聴いている側が心地よく思えるか否かの問題だったのかもしれません。

▼曲を数万と知っていなければできない芸当かも?

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マイルス・デイビスはジャズ界の異端者

音楽のジャンルでJAZZほどロック以上に複雑に細分化したものは無いと思います。ファンに尋ねたら細かく説明してもらえそうだが、ファンでない私にとってはハードロックとヘビメタの違いぐらい微妙なものだ。
そんな私にも判りやすく受け入れられたのがJAZZから派生したジャンル「クロスオーバー」「フュージョン」ですが、まっとうなJAZZファンからは鼻つまみのジャンル。その背景としては伝説のトランぺッター「マイルス・デイビス」へたどり着く。
1950年代末期に名曲「マイルストーンズ」「カインド・オブ・ブルー」で即興演奏を取り入れたモード・ジャズというジャンルをサックス奏者ジョン・コルトレーンとともに造り上げた。
しかし彼の挑戦はさらに続きエレキギター等の電気楽器を取り入れたのである。無論アコースティック楽器で無いのでJAZZ界からは異端的な存在になってしまうのです。
遺作となる「doo-bop」は、ヒップホップとマイルスが融合した傑作で、実はこの作品の制作中にマイルスが亡くなってしまって未完の状態だったのです。プロデューサーのEasy Mo Beeがマイルスの未発表音源よりサンプリングして亡くなったマイルスがOKを出すと思われるようにリミックスしたそうです。彼の音楽への挑戦は亡き後も同志が引き継いだのですね。

▼マイルスのジャンルはJAZZでもなくマイルスそのもの。


▲個人的ヒップホップは好きなジャンルでないがこれは別格。

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