日本映画において名作といえば「角川映画シリーズ」と言っても過言ではないかと思います。
1976年の「犬神家の一族」から始まったシリーズは、私の中では1991年の「天河伝説殺人事件」で事実上終わったと思います。
どの映画も素晴らしい物ばかりで、甲乙つけがたいですが、その中でも、ストーリーと俳優さんが奇妙にマッチし、未だにこの奥深い世界観が理解を超える作品と言える「野獣死すべし」は格別と言えるでしょう。
松田優作さんが他に主演した「人間の証明」「蘇える金狼」も非常に良いのですが、この主人公の伊達邦彦を演じれるのは松田さんだけでしょう。
何故、この映画をまず選んだかと言いますと、作品の世界観のみならず大きな、逸話や伝説があるからです。
役作りに徹するため上下の奥歯を抜いたというし、そもそも原作の主人公 伊達邦彦は、この映画の雰囲気とは大きく異なっているのも面白い。
見どころはたくさんあるが、本編最後付近のコンサート会場 “あ!” は、最初はなんだ?と思いましたが、その後のラストの狙撃されて倒れるシーン。一説によると、すべて夢の中(リップバーンウィンクルの話が裏付けます)の出来事という事でもありますが、最近では良くありがちな、見た方の解釈で結末が変わるさきがけの映画です。
▼本当は朝倉哲也の様なイメージだったのでしょうか?